流星の光跡 4
当時は朝鮮戦争のブームで、ウォールストリートは軍需産業に関心を高めていた折でした。
こうしてのちにコングロマリットの典型となる、リットン・インダストリーズという小さな軍需品メーカーが、会長のソーントンと社長のアッシュのコンビで順風に帆を上げたのです。
アッシュはもとは陸軍航空本部出身で、バンク・オブ・アメリカの統計係であったのを、旧上官のソーントンに拾われたのです。
アッシュはのちに、
「ソーントンは航空本部の優秀な連中を全部フォードに連れていってしまったので、彼がヒューズに移ったときには桶の底を掻きまわして私を見つけた次第だ」
・・・と皮肉っぽく述懐しています。
しかし、どうしてどうしてなかなかの切れ者で、のちにニクソンに引き抜かれ、予算局長として同大統領の重要スタッフの一員となりました。
この名コンビのもとで、リットン・インダストリーズは驚異的な急成長を遂げた。
創業時は売上高が300万ドルにすぎなかった無名の企業は、10年目には5・4億ドルを稼ぎ、フォーチュン誌会社番付では102位に達し、俄然注目されるようになりました。
この間に40社近い会社を吸収合併し、アメリカおよび12力国に71の工場を持つコングロマリットにのし上かったのです。