金融と資本主義

民営化とメディア化が、80年代における資本主義の進展にとってもっとも銘記すべき内容をなすということは、さほど確かなことではありません。


この両者が論争のきっかけとなり、その論争がいかに激烈に、かつ華やかにくりひろげられたとしても、そうでしょう。


文学論争や芸術論争のいくつかのひそみにならってつぎのように予測することさえできます。


ここ10年にわたる民営化とメディア化の局面は、すくなくとも私的領域と公的領域との境界それ自身があらためて問い直される以前に忘却のかなたに追いやられることもありうる、と。


われわれが関心を抱くべきなのは、多くの場合企業の前歴をたどることではないでしょうか。


この10年間は金融活動の前代未聞の拡張がわれわれの心を揺さぶり、はるかに華々しい思い出となって長く記憶にとどめられています。


それだけに、この局面の忘却はなおさら当然のことなのです。

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